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生活保護を受給していて、切っても切り離せない関係にあるのが、病院への通院です。

生活保護を受給すると、国民健康保険は役所へ返却することとなるため、

通院の方法が今までと、ガラッと変わります。

今までと違う通院の方法に戸惑う人や、そもそも医療券発行の手続きがめんどくさいので、

症状があるのに、病気を放置してしまう人が後を絶たないようです。

しかし、実は、もっと簡単に、便利に、効率的に生活保護で医療を受ける方法があります。

本日は、皆さんからの相談が非常に多い、生活保護の医療扶助について徹底解説したいと思います。

少々長い記事になりますので、時間のない方は目次から目ぼしい位置まで飛んで頂くといいかと思います。

1 生活保護で病院に通院する場合の手続き

さて、生活保護を受給すると、国民健康保険証を役所へ返却し、無保険の状態となります。

そして、国民健康保険証の代わりに、「医療券」というものを役所で発行してもらい、病院へ持参して医療を受けることになります。

まずは、通院したい日にちと、通院したい病院を決めましょう。

そして、医療券を手に入れるために、印鑑をもって生活保護の窓口に向かいましょう。

窓口で担当ケースワーカーを呼び出し、

「こういった症状があって、○○病院に○月○日に通院したいと思うのですが」

と相談してみましょう。

窓口で必要書類に、通院する人の氏名、通院先、通院日、症状を記入するとケースワーカーが医療券を発行してくれるはずです。

この医療券を病院の窓口に提出すると、保険適用内の医療については原則無料となります。

2 意外と知らない生活保護の医療券7つの基本ルール

①医療券の適用範囲に注意

特殊な治療や、最先端の保険適用外の医療については自己負担となりますので注意が必要です。

②医療券は1病院につき1枚必要

医療券には病院の名前が記載されているので、申請した以外の病院では使えません。2か所以上の病院へ掛かりたい場合や、途中で病院を変えたい場合は、役所で新しい医療券を発行してもらう必要があります。

③1つの病院で内科や外科、神経科などいろんな科に行く場合

総合病院など、同じ病院内で複数の科にかかりたい場合は1枚の医療券で大丈夫です。ただし、歯科だけは医療券が別になりますので、総合病院で歯科もかかる場合は担当者に伝えましょう。

④社会保険証をもっている場合は要注意

会社から発行される社会保険証を持っている場合は注意が必要です。その場合、「社会保険との併用医療券」という特殊な医療券を役所の窓口で発行してもらう必要があります。担当者へ社会保険証をもっていることを伝えましょう。

⑤医療券は毎月役所に取りに行かないといけない?

風邪や突発的な病気で通院する場合は、基本的には毎月の初診ごとに医療券が必要になります。ただし、慢性的な病気で定期通院を行う場合は、役所が病院に「継続医療券」というものを郵送してくれるため、わざわざ毎月医療券を役所に取りに行く必要はありません。

⑥生活保護でかかれる病院は限られる

通院できる病院は、都道府県から生活保護の指定を受けている病院のみです。通院先を決める際は病院へ予約の連絡を入れる際に生活保護の指定を受けているかを確認すると間違いありません。なお、指定を受けていない病院に誤って通院してしまった場合、医療費は10割実費になりますので注意してください。

⑦必要であれば遠方の病院でもかかれる

意外と勘違いをされがちなのが、保護を受けている自治体のなかにある病院しかかかれないんじゃないかと勘違いされるケースです。生活保護で通院する場合、地域の指定は特にないため、必要であれば市町村を超えて、また理由が正当なら県を超えて、他の自治体にある病院へ通院することは可能です。ただし、あくまで理由が正当である場合なので、そのあたりはケースワーカーに相談しましょう。

3 お薬を貰う場合のルール

薬を貰うにあたっては、院内処方の病院の場合と、処方箋をもらって院外の薬局で薬をもらう場合で必要な書類が変わってきます。

①院内処方の場合

役所から事前に出してもらった「医療券」のみで手続きが可能です。

②院外処方の場合(薬局で薬を貰う場合)

薬局名の入った「調剤券」という別の書類が新たに必要になります。

もし、役所で医療券の手続きを行う際に、いきつけの薬局などがある場合は、その旨必ず伝えましょう。そうすることで、医療券と同時に調剤券を貰えますので2度手間になりません。

しかし、風邪や体調不良で通院を行う場合、薬が院内処方か院外処方か分からない場合や、そもそも薬がでるのかどうかも分からない場合があります。

そのような場合は、とりあえず医療券だけを役所で貰っておいて、もし後々院外処方で薬が出た場合にはすぐにケースワーカーに連絡を行い、薬局名を伝えましょう。

連絡をすることで、ケースワーカーが薬局に直接郵送で調剤券を送っておいてくれることになります。

4 医療券を取りに行くのがめんどくさい場合

生活保護で病院に通院する際にネックとなるのが、なんといっても医療券を発行してもらうためだけに窓口にいくというわずらしさです。

突発的に風邪をひいたり、インフルエンザにかかったりして、病院に行くのもやっとの状況なのに、病院に行く前に役所で手続きをして医療券を発行してもらうのは、本当に心が折れそうになるような気持ちになりますよね。

そんな場合は、一度担当のケースワーカーに連絡を行いましょう。

ケースワーカーによっては、医療券を発行する手続きを省略してくれる場合があります。

どういうことかと言うと、

ケースワーカーがそのような連絡を受けた場合に、あらかじめ通院先の病院に、

「これから○○さんと言う人がそちらの病院にいかれると思うのですが、体調的に医療券を持参するのは無理とのことなので、医療券は後日役所から病院に送付しますので、よろしくお願いします。」

という内容の電話を病院にいれてくれる場合があります。

そうすれば、医療券を病院に持参しなくても通院が可能となる場合があります。

いきなり病院に行っても門前払いにあう可能性があるので、必ずこの様な場合はケースワーカーに相談を行いましょう。

これは突発的な病気の場合だけではなく、医療券を取りに行くのがなんとなくめんどくさい場合でも、相談次第では、このような取り扱いをしてもらえる場合もありますので、一度担当者に相談をしてみるのも良いかと思われます。

5 土日で役所が開いていない場合に突発的に病院に通院するには

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いつなんどき病気にかかるかは誰にもわからないものですが、もしも、役所のお休みである土日や祝日に急に風邪をこじらせてしまったら医療券の手続きも、電話連絡もできないでしょう。

そのような場合は、病院へ電話連絡し相談を行いましょう。

何度か通院をしたことのある病院であれば、そのまま医療券なしで受診ができる可能性が高いです。

ただし、初めて行く病院の場合は、病院もあなたの生活保護の情報がわからないため、とりあえず、3割の医療費をとりあえず払ってくれと言われる場合があります。

病院によっては10割で払ってくれと言われる場合もあったりするので、必ず受診前に電話連絡を行い確認をしましょう。

後日、支払いを行った病院へ医療券を持参すれば、支払った医療費の返還を受けれられますので、担当のケースワーカーに相談を行いましょう。

6 メガネ、コンタクトも医療券で無料に?

意外と知られていないのが、メガネも医療扶助での支給対象です。眼科に行く前に、ケースワーカーにメガネを作りたい旨相談を行いましょう。

①レンズの交換からフレームの交換まで柔軟に対応がある

メガネの度数が合わなくなった場合や、乱視や近視、遠視などでレンズ交換が必要な場合は、レンズの交換も医療扶助で行うことができます。

さらに、フレームが古くなり、使用に耐えない状況にある時は、フレームの交換についても認められる場合があります。ただし、フレーム交換については、ご自身で誤って壊してしまった場合には、原則自己負担となります。この様な場合でも、人にぶつかられて壊された等と適当な理由をつけると認められる場合があるようですが、皆さんは正直に説明をしてくださいね。

②コンタクトはやむを得ない事情があれば支給可能な自治体も

実は、医療扶助でコンタクトレンズの支給が可能な場合もあります。例えば、極度の頭痛をもっており、メガネのような物が顔の前にあると頭痛が悪化する等といった場合です。メガネをかけると頭痛の症状が著しく悪化する場合は、医師の診断書を

7 接骨院や整骨院、歯科の定期検診にも生活保護で通える

接骨院や整骨院については、医療ではなく、「治療」という位置づけとなるので、医療券での通院はできません。ただし、整形外科に通院を行ったうえで、医師が整骨院や接骨院での治療が適当と判断した場合は、ケースワーカーに相談のうえで、整骨院や接骨院にかかれる場合があります。

詳しくはこちらのページでも紹介をしています。

>>生活保護受給後、医療に掛かりたい場合はどうすればいいの?整骨院や接骨院は?

また、歯科の定期検診については、特に要件無く、定期的に通院が可能な自治体が多いので、こちらもケースワーカに相談を行いましょう。

8 通院にかかる交通費を申請しましょう

通院を行う際にどうしてもかかったしまうのが電車バス等の交通費です。こちらも意外と知られていない事が多いのですが、申請を行えば、電車バス、ひいてはタクシー代まで交通費が支給される場合があります。

電車バスは案外認められやすいので、ケースワーカーに一度相談しましょう。

タクシー代については、タクシーで通院せざるを得ないやむを得ない理由が必要となりますので事前相談が必須です。

9 入院する場合の入院費用も支給される

入院費用についても、保険適用がされる入院であれば基本的には全額医療扶助から支給があります。ただし、病衣のレンタルや、タオル、せっけん、歯ブラシなどの購入費用は自己負担になります。

また、ご自身の勝手で部屋を個室にした場合の差額ベッド代についても自己負担です。安易に個室を選んでしまった場合、後々の請求の際にびっくりするような金額を請求されることがありますので注意しましょう。

入院時に心配になることの一つが、入院が長くなる中で、家賃の支給はあるのかということです。家賃については入院をした時から6カ月間は支給が続きますのでご安心ください。なお、6カ月を超える場合でも医師の診断次第では延長して住宅扶助の支給がされる場合もありますので、担当のケースワーカーに相談をしましょう。

また、入院を行う際、少しのコツで生活保護費を最大効率的に受給することができます。その方法については以下の記事も参考にしてください。

>>9割以上の人が知らない!生活保護で5万円以上お得に入院する方法

10 子どもの修学旅行に健康保険証が必要だと言われた場合

子どもが修学旅行や、林間学校などの学校行事でお泊りに行く場合、学校側から健康保険証を持参するように言われる事があります。

こんな時、健康保険証が無くて困ったことはありませんか?この様な学校行事の場合に限り、仮の保険証を生活保護の窓口で出してもらえる場合がありますので、こちらも担当のケースワーカーに一度相談をしてみましょう。

本日は医療扶助についてあれこれと紹介させていただきました。

意外と知らないことも多かったのではないでしょうか。

本記事を参考に、快適に医療扶助を活用しましょう。

それでは本日は以上となります。

筆者:ねこ忍者
東京在住
生活保護法の研究をしています。
昨年に社会保障関係のNPOを設立し、日々奮闘しております。
生活保護制度について考え、皆さんの役に立てる記事の更新に努めます。

 

 

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