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筆者は社会保障関係のNPOを運営していますが、生活保護受給者の相談の中で、よく皆さんが疑問に思われていることが、国民年金です。

「保護を受けた時から年金の納付書が来なくなったけど大丈夫か?」とか

「保護の間は年金を払っていないので、将来は年金はもらえないのでは?」

といったケースワーカーの説明不足による疑問をたくさんの方から頂きます。

上記のような事を不安に思われている方はご安心ください。

本日は、生活保護と年金についてご説明したいと思います。

また、生活保護制度と年金の制度を利用した裏技も紹介したいと思います。

1 生活保護を受けると国民年金は払わなくて良い

生活保護を受給すると、国民年金保険料については「法定免除」となります。

法定免除とは、生活保護を受けることで、法律上当然に年金の支払い義務が免除となるということです。

つまり、国民年金の保険料は保護を受けると0円になります。

ただし、免除になるのは、生活保護を受給した以降の保険料が対象です。

もし、保護を受ける前の期間に年金保険料の未払いがある場合は、納付の督促が来ますし、支払いの義務もありますのでご注意ください。

しかし、生活保護を受けていて、ただでさえ、困窮している中で、

過去の未払い分の支払いなんてとてもじゃないけどできないと考えるのが世の常です。

過去の未払い保険料については、ケースワーカーに支払いが難しいことをよくご相談ください。

ケースワーカーにもよるのですが、国民年金課とやり取りを行い、

督促を猶予としてくれたり、

支払いを分割にする手続きをとってもらえるように根回しをしてくれる場合もあります。

2 将来の年金はどうなるの?

年金の支払いが免除となってバンザイ、と言うのはまだ早いです。

そもそも年金の支払いが免除されるということは、皆さんが65歳になった時にもらえるはずの年金はどうなるのでしょうか。

平成28年10月現在の国民年金が支払われる、年金保険料の最低納付月数は300カ月です。

難しいことを言いましたが、20歳~60歳までの間に300カ月間、年金を支払えば、65歳から年金を受けることができますよという意味です。

300か月と言うのがピンとこない方は、年数に置き換えると25年です。

実は、この年数なのですが、平成29年10月から10年に短縮される予定です。

つまり、今後は120カ月、10年間年金を納めていれば、将来年金を貰える権利が出てきます。

それでは、本題に戻りましょう。

保護を受けている期間は、年金保険料が法定免除となり、法律上当然に年金の支払い義務がなくなります。

それにより、生活保護を受けている間は、年金を支払っていなくても、支払っているものとカウントされます。

例えば、あなたが、生活保護を受ける前に、5年間(60カ月)年金を納めていたとすると、

あと5年間生活保護を受ければ、

既に納付した月数60カ月+法定免除60カ月=120カ月(10年)

となり、最低納付月数を満たすため、将来65歳で年金を貰える権利が発生します

3 生活保護と年金に関するとっておきの裏技

さて、ここまで読まれた方の中で、頭の良い方はもう気づかれているはずです。

生活保護を受けていると、年金の保険料を支払わなくても、支払っていることと同様の効果が生まれるとすれば、、、

10年間生活保護を受ければ、年金の保険料を1円も支払わずに、将来65歳以降に年金が貰えるのです。

エビで鯛を釣るというか、餌を付けずに針だけで鯛を釣るという言葉がぴったりな裏技でしょう。

ただし、65歳以降も生活保護を受けてしまうと、支給された年金は収入認定となるため、保護費が減額されてしまいます。

賢い人は、例えば30歳から40歳まで生活保護を受給し、1円も払わずに将来の年金の受給権を獲得。

40歳以降は頑張って働いて保護を脱却。65歳まで貯金をし、65歳からは1円も払っていないのに貰える年金を生活費の一部に充てる

というかなりづるいライフプランを考える人もいるかもしれません。

なお、この方法は不正受給には一世該当しません

なぜなら、法律の定めにより年金が免除された結果なのですから。

当然に年金をもらう権利がありますから胸を張ってタダで年金を貰ってよいのです。

4 裏技の注意点

生活保護と年金のコンボで、年金を無料で貰える裏技を紹介しましたが、ここ最近まではなかなか実現が難しい裏技でした。

なぜかというと、現状(平成28年)の年金の最低納付月数が300カ月=25年だからです。

25年もの長期にわたって生活保護を受け続けることは至難の業です。

しかし、この最低納付月数が平成29年より10年に短縮されることで、その実現性が一気に上がることになりました。

10年への短縮は年金特例法の法改正によって実現するものです。今後の政権の動き次第では、10年への短縮が延期されることも予想されますので注意しましょう。

⇒(平成28年11月15日捕捉)年金機能強化法案が無事に可決されました。これにより年金の最低納付月数は10年に短縮されました。

 

また、これにより得られる年金の額にも注意です。

まず第一に、法定免除によって得られる年金の額は、ちゃんと年金を納めた場合の半額となります。

また、ふたつめに、現行の国民年金は、満期の支払いで40年間納めても、

65歳からの年金支給額の満額は、月額約65000円程です。

つまり、年金を一切払わず、10年間生活保護で法定免除を受けて、貰える年金の推計は、

64000円×10年/40年×1/2で、月額8000円程度かと見積もられます。

⇒(平成28年11月15日捕捉)ついに年金機能強化法案が可決されました。

各納付月数で得られる金額は報道発表によると以下のとおりです。

10年(120カ月納付)=年金月額1万6千円

20年(240カ月納付)=年金月額3万2千円

30年(360カ月納付)=年金月額4万8千円

40年(満額納付)=年金月額6万5千円

ちなみに、生活保護による年金免除の適用を受けると、納付月数に対応する年金額が半額になります。

つまり、生活保護を10年受けた場合は年金月額8000円(年額9万6千円)

生活保護を20年受けた場合は、年金月額1万6000円(年額19万2千円)

生活保護を30年受けた場合は、年金月額2万4000円(年額28万8千円)

生活保護を40年受けた場合は、年金月額3万2500円(年額39万円)

ということになります。

最後に

生活保護を10年受けた場合、貰える金額が月に8000円と少ないとはいえ、年金保険料を1円も払わず、65歳から毎月8000円のお小遣いが貰える権利を得ることができるのです。

月にすると少ないですが、年額では9万6000円、

仮に80歳まで生きると

9万6千円×15年=144万円です。

意外とバカにできませんね。

ただし口をすっぱくして言いますが、65歳以降も生活保護を受けるとすれば、年金は収入認定となりますので、うまみを得るとすれば65歳以上は生活保護から脱出している前提でのうまみです。

今回ご紹介した方法は、不正受給では無いので、試されたい方は試してみても良いかもしれません。

それでは本日は以上となります。

筆者:ねこ忍者
東京在住
生活保護法の研究をしています。
昨年に社会保障関係のNPOを設立し、日々奮闘しております。
生活保護制度について考え、皆さんの役に立てる記事の更新に努めます。

 

 

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