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生活保護の基準は毎年4月に見直しが行われることを皆さんはご存知でしょうか。

基準の見直しは、生活保護基準部会審議会にて審議が行われ、その時の日本の経済状況や物価指数等の数値に基づいて生活保護の基準額を見直します。

さて、平成27年度も残りわずかとなり、平成28年度の新たな生活保護基準が気になるところです。

本日は、2016年度(平成28年度)から、生活保護の金額がどう変わるのか?増額なのか減額なのかをまとめたいと思います。

4月からの生活保護基準額の改正点

生活保護費が下がるのか?上がるのか?だけを言えば、平成28年4月からの生活保護費は、多くの家庭で「据え置き」となります。

と言うのも、多くの家庭に関わってくる、生活扶助の1類、2類、住宅扶助の金額に変更が無いからです。

平成28年度から改正されるのは、一時扶助や、障害者加算、技能習得費といった、一部の方だけに関わる部分で、概ね増額が行われる予定です。

それでは、細かい部分での保護基準の変更点について表にまとめましたのでご覧ください。

変更前 変更後 変更額
重度障害者加算 14,480円 14,600円 +120円
特別介護料加算 12,140円 12,230円 +90円
放射線加算 42,720円 42,990円 +270円
小学生の学級費 700円 670円 ‐30円
中学生の学級費 790円 750円 ‐40円
高校生の学級費 1960円 1670円 ‐290円
施設分娩費 247,000円 258,000円 +11,000円
技能習得費 77,000円 78,000円 +1,000円
就職支度費 29,000円 30,000円 +1,000円
新規就労控除 10,700円 11,100円 +400円
住宅維持費 119,000円 120,000円 +1,000円
布団代 18,200円 18,800円 +600円
新生児衣料 49,100円 50,300円 +1,200円
平常着 13,400円 13,600円 +200円
入院時寝巻 4,100円 4,200円 +100円

今回は、ほとんどの部分で増額がされています。

消費税増税や原材料費の高騰による物価の上昇を見込んでのことでしょう。

それではもう少し詳しく見てみましょう。

1 加算の金額の変更点の詳細

加算で変更があるのは以下の3つの点です。

① 重度障害者加算額の変更 増額↑

② 特別介護料加算の変更 増額↑

③ 放射線障害者加算の変更 増額↑

①の重度障害者加算とは、1級の障害手帳を持っていて、常時介護状態にある方に加算されるものです。

重度障害者加算については、現状14,480円であるのが、7月から14,600円となり、月額120円の増額がされる予定です。

②の特別介護料加算とは、障害をもつ人を全介助している家族がいる場合に追加で加算されます。平成27年度の加算額は12,140円ですが、平成28年7月から12,230円となり、月額90円の増額がされる予定です。

③の放射線加算とは、原子爆弾やその他の要因により、放射線を多量に浴び、疾病または負傷したと認定された人に加算されます。平成27年度の加算額は、治療中の方が、42,720円、治癒された方が21,360円でした。平成28年4月からの加算額は、治療中の方が42,990円、治癒した方が21,500円となります。治療中の方が270円、治癒された方が140円の増額となります。

2 子どもの学級費の減額

平成28年度から唯一、保護の基準額が減額となっているのが、小中高生の学級費です。

小学生では30円、中学生では40円、高校生では290円の減額なっています。

そもそも学級費とは、学校教育活動のために全ての児童、生徒について支払わなければならない、児童会、生徒会費、PTA会費に充てられるものとして支給がされています。

これについては、基準部会において、全国のPTA会費や生徒会費を検証の元、減額がされたものと考えられます。

3 就労に関する費用の増額

上記の表でもお示ししましたが、平成28年度の基準は、就労に関する費用について増額すると決定しています。

表中の技能習得費とは、役所に認められた資格を取得する料金や、それに必要な訓練等の受講費等を賄うために支給されます。

就職支度費とは、高校を卒業し、新規に職に就く場合のスーツやカバン等を購入するために支給されます。

新規就労控除とは、高校卒業後、初めて職に就いた場合や、入院、入所等により長期間仕事をしていなかった人が仕事を始める場合に、給与から控除される控除額です。こちらも控除額を増額させることで、新規で働く人にとって有利に働くようにしています。

これら3つの項目については、物価の上昇による資格試験料金や、スーツ等の価格高騰を考慮して増額があったものと考えられます。

4 一時扶助の基準額の増額

住宅維持費とは、持ち家で保護を受ける人の住宅を維持するためにかかる費用を支給するものです。

家具什器費とは、新規開始時や、転居時等において、家具の持ち合わせが全く無い方に、最低限必要な家具を支給するものです。

また、布団や平常着についても同様で、保護を開始した際に、布団や衣服の持ち合わせが全くない場合に支給されるものです。

上記でも述べたとおり、これらについても、物価の上昇に合わせての保護費増額があったものと考えられます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

平成28年度の生活保護基準については、多くの世帯で保護費の変動は無く、「据え置き」と考えて頂ければ良いかと思います。

その中で、障害をお持ちの方や、求職活動を行っている方、家具や布団が必要だと感じている方は、4月から金額が増額となります。

また、数年前の様な大きな制度の変革は今年は無いと筆者は予想しています。

今後も生活保護行政の動向について見守り、変化の兆しがあればいち早く皆さんにお伝えしたいと思います。

それでは本日は以上となります。

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