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生活保護制度はここ近年大きな変容を見せています。

特に、平成25年から平成27年の3年間にわたり続いた保護基準の引き下げは、生活保護世帯の生活に大きな影響を与えたことでしょう。

平成27年度で保護基準の段階的引き下げは終了となりますが、平成28年度以降の保護費はどうなるのでしょうか?

また、近い将来生活保護制度はどの様な変容を見せるのでしょうか?

本日は生活保護の1~2年後の将来像を予想してみたいと思います。

1 2016年度(平成28年度)の生活保護費は増額?減額?

生活保護の基準額は一般的に年度初めの4月に見直しがされます。

平成28年度の生活保護費については、今まで通り、変化なしであると予想します。

と言うのも、保護基準の大幅な引き下げがあるとすれば、平成27年度中に基準部会にて検討が行われるものです。

筆者は社会保障制度の最前線で情報を集めていますが、今のところ平成28年度の保護費が大幅に見直されるといった情報は入っていません。

平成28年度の保護費(1類、2類、住宅扶助)は、平成27年度と同額となることが予想されます。

ただし、おむつ代や家具什器費などの一時扶助については毎年の物価の状況によって数百円程度の見直しがされ続けているため、平成28年度も同様に見直しがされるはずです。

物価についてはここ近年上昇傾向にあるため、一時扶助については若干の増額があるかと予想できます。

2 2017年度(平成29年度)の消費税増税により保護費はどうなる?

平成29年度には消費税増税に加え軽減税率制度の導入があります。

軽減税率とは、品物によって消費税の税率を低く抑える制度です。

平成27年12月現在では、生鮮食品、加工食品など、酒類を除く飲食料品については8%の消費税に据え置くと言う形で合意されています。

それ以外の衣類や日用品については平成29年4月より消費税率10%が課せられる予定です。

軽減税率の狙いは、消費税増税が国民の消費生活に大きな影響を及ぼさないようにすることを目的とします。

さて、ここで皆さんが疑問に思うことがあるかと思います。

「飲食料品以外の消費税が10%になるなら、今の生活保護費でやってられないじゃないか!」

ということです。

このことについて、あくまで筆者の予想ですが、平成29年の消費税増税にあわせて、生活保護費は増額となります。

と言うのも、実は2014年度(平成26年度)に消費税が5%から8%に引き上げられた際も生活保護費は増額となっています。

「いや、そんなことはない」

といった声が多数聞こえてきそうなところですが、これは事実です。

確認できる人は、平成26年の保護費の額を確認してみてください。

4月は冬季加算が付かなくなるため、多くの方が基準が下がったと思いがちですが、冬季加算の減額分を加味すると保護費は前年より少しだけ上がっているはずです。

そのことから、消費税が8%から10%に引き上げられる際も、保護費が増額されることが予想されます。

ただし、増額と言っても大幅な増額ではありません。

軽減税率が導入されるため、政府は低所得者にそこまで大きな負担は無いだろうと考えるでしょう。

おそらくですが、食費に相当する生活扶助の1類部分は据え置き、または微増になるかと思われます。

増えるとすれば、衣類や高熱水費相当分の生活扶助2類の引き上げがあるかと思われます。

金額にすると、家族構成にも寄りますがおそらく単身者で数百、複数世帯で数百円から数千円程度の引き上げになるのではないかと予想されます。

3 マイナンバー導入による変化は?

平成28年1月よりマイナンバー制度が本格的に指導します。

生活保護制度への短期的な影響としては、平成28年1月から生活保護の申請時にマイナンバーの提示が必要となります。

提示されたマイナンバーをもとに、全国での保護受給歴などを確認されるため、2つ以上の自治体で重複受給を行うような不正受給者が断絶されます。

マイナンバー導入による長期的な(1~2年後)変化として、役所に黙って働く不正受給者の摘発が容易になります。

平成28年1月以降、就労する場合にマイナンバーを会社へ提示することが必要となります。

今まで所得税の情報のみに頼っていた不正受給調査ですが、マイナンバーと就労先が結びつくことで、就労先の特定を行う事が役所にとって容易になります。

そのため、近い将来(1~2年後)、不正受給者が一掃されることが予想されます。

マイナンバーと生活保護については以下の記事も参考にしてください。

>>生活保護の不正受給が暴かれる?マイナンバー制度と生活保護の今後を予想
>>マイナンバーが生活保護にもたらす3つの恩恵/制度の未来に明るい光
>>生活保護でマイナンバー導入後もバレない仕事はあるのか!?

4 平成29年度、年金受給資格短縮に向けて年金調査が加速する?

平成29年4月の消費税増税に合わせて、年金の受給資格が短縮されます。

今まで国民年金を受給するためには、最低でも300カ月(25年)以上の間、年金保険料を納める必要がありました。

それが、消費税の増税にあわせて、120カ月(10年)間、年金保険料を納めていれば、年金の受給が可能となります。

生活保護受給者の中には、年金についてはハナからもらえないものと思っていて、ご自身の年金加入月数を把握していないかたがいらっしゃいます。

そのことからケースワーカーが、こういった受給者の年金受給権の有無を一斉に調査することになるでしょう。

そして、年金がもらえることとなった方は、その分だけ生活保護費が減らされることになるため注意しましょう。

また、余談ですが、年金受給権の有無を確認する調査はケースワーカーにとって非常に骨の折れる事務です。

おそらくですが、平成28年度という年は、ケースワーカーにとってここ近年で最も忙しい年になるのではないかと思われます。

多忙から、皆さんへの相談に掛けられる時間も自ずと減るでしょうから、相談事がある方は早めに行うようにしましょう。

いかがでしたでしょうか。

生活保護で賢く生きるためには、今後制度にどの様な変化があるのかを予想し、それに備える必要があります。

現時点では来年度の情報はまだまだ少ない状況なのですが、今後情報が入り次第皆さんにお伝えしていきたいと思います。

それでは本日は以上となります。

筆者:ねこ忍者
東京在住
生活保護法の研究をしています。
昨年に社会保障関係のNPOを設立し、日々奮闘しております。
生活保護制度について考え、皆さんの役に立てる記事の更新に努めます。

 

 

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