Pocket

Lisa88_sumahoganmi20141018093542_TP_V

生活保護の申請を行うと、親族の名前や住所等の情報について、相談員からの聞き取りがあります。

これは、扶養義務者を特定し、扶養照会を行うためです。

扶養義務者とは、あなたに近しい親族や親せきのことを指します。後ほど具体的な親戚の範囲を説明します。

扶養照会とは、親族や親せきに対して、あなたへの扶養ができないかどうかを確認する作業です。

この扶養照会があることから、生活保護を申請した事が親族、親戚にばれることとなります

そして、そのことが原因で、多くの方が生活保護の申請をためらわれていることでしょう。

親族にばれずに、生活保護を受けることは不可能なのでしょうか?

いえ、可能です。

本日は、生活保護と扶養の関係について詳しく解説したいと思います。

1 扶養義務の範囲は?どこまでの親族にばれるの?

生活保護を申請すると、どこまでの親族に保護の受給がばれる可能性があるのでしょうか?

生活保護の制度上、扶養義務がある親族の範囲には以下の2つの考え方があります。

①絶対的扶養義務者

②相対的扶養義務者で、現に扶養をしている人または、過去にその世帯から扶養を受けていた等の特別な事情があるもの

 

①の絶対的扶養義務者とは、3親等以内の直系血族、兄弟姉妹、配偶者を指します。

具体的に言うと

父母、祖父母、曾祖父母、子、孫、ひ孫、兄弟姉妹、配偶者

をいいます。扶養義務に「絶対的」とつくだけあって、該当する人には特別な事情が無い限り、扶養の調査が行われます。つまり、生活保護を申請したことがばれるということです。

 

②の相対的扶養義務者とは、3親等以内の傍系姻族を指します。

具体的に言うと

伯父、叔母、甥姪、甥姪の配偶者、叔父叔母の配偶者

配偶者の父母、祖父母、曾祖父母、その伯父叔母、伯父父母の兄弟、甥姪

です。相対的扶養義務者については、直接的な血のつながりがありません。

そのことから、現に相対的扶養義務者から援助を受けているか、過去に相対的扶養義務者に援助を自分が行っていた等という特別な事情がある場合に調査が及びます。

ざっくりいえば、相対的扶養義務者については、昔から付き合いが深く、金銭的に助け合っていたような関係がある場合に、扶養調査の対象となり、保護の申請がばれると理解していただければ十分です。

 

2 扶養調査はどの様に行われるのか?

役所がまず初めに行うのは、あなたにどれだけの親族がいるかを割り出す作業です。

面接の際にあなたから口頭で親族の状況について確認し、それをもとに戸籍の調査が行われます。

親族に生活保護の申請がばれたくないからといって、名前や住所を偽ったとしても、戸籍で必ずばれてしまいますので注意しましょう。

調査の結果判明した親族に対して、「扶養照会書」または「扶養届」というような名前の手紙を役所の担当者が送付します。

そこには、「○○さんが現在生活保護を申請していますが、金銭的援助や、精神的援助は可能でしょうか」

というような文面が書かれています。

この手紙が親族に届いた時点で、あなたが保護の申請をしていることがばれることになります。

自治体にもよるのですが、書面に、あなたへの扶養ができるかどうかや、現在の年収、家族構成、資産の状況を答える欄があります。

必要事項を記入し、親族は役所に書面を返送します。

返送された文面をケースワーカーが確認します。

ここで、「扶養ができない」という回答であればその時点で扶養調査は一旦終了します。

一方、「扶養ができる」という回答であれば、あなたにその旨説明を行い、扶養義務者からの扶養を受けるように指導が入るといった流れです。

3 親族に生活保護がばれないようにすることはできる?

生活保護手帳問第5の2にて、扶養義務の履行が明らかに期待できない親族に対しては、扶養調査は行わないものとしてよいという記述があります。

理由があれば、親族に通知が行くのを防げます。つまり親族にばれずに生活保護の申請が可能であるということです。

では、親族に通知が行かないための理由とはどういったものでしょうか。

これは、世帯の状況によって全く異なるのですが、例えば、

①親族とは全くの絶縁状態で、10年以上音信不通である

②親族や夫から虐待、DVを受けていた等の理由で家庭から逃げ出し、役所から通知が行くと追跡にあう可能性が高い場合

③あなたが精神的な病気で、親族に保護の受給が知れると病気の悪化が懸念される場合

といった理由が考えられます。

扶養調査の通知を行うかどうかの判断は、ケースワーカーに委ねられているので、親族に保護の受給が知られたくないことを良く相談することをお勧めします。

また、親族との関係性についてはあなたからの聞き取りのみにより聴取されることがほとんどです。

親族と関係が良好であるにもかかわらず、あなたが「過去に虐待を受けていて親族には連絡してほしくない」とウソをついたとしても、その真意を確認する手段は役所側にありません。

ただし、これは理論的にウソがばれないというだけであって、正直な皆さんは真実を述べることに努めましょう。

4 親族がお金もちなのに扶養しない場合は?

数年前に年収5千万円の某お笑い芸人の母親が生活保護だというニュースが世間を驚かせました。

親族がお金持ちなのに扶養をしないという事例は数多くあります。

これについて、生活保護手帳では、問第5の5にこの様な記述があります。

明らかに扶養義務の履行が可能なものとは、

①定期的にあっているなど交際状況が良好であり、

②扶養義務者の勤務先などから扶養手当や税法上の扶養控除を受けており、

③高額な収入があることが明らかである

という3つの条件を満たす人であるとしています。

さらに、明らかに扶養義務の履行が可能であるのに、それを行わない場合、家庭裁判所への調停を検討することとしています。

ただし、この辺りの判断はかなり難しいもので、役所も頭を抱えています。

ただでさえケースワーカーは仕事が忙しいので、裁判所へ調停を行っている暇など無いのが現状でしょう。

そのため、年収が数千万円で、関係が良好な親族がいる等といった場合でない限り、調停などといったおおごとになることはありません。

いかがでしたでしょうか。

扶養についてはここで紹介した以外にもたくさんのルールがあるのですが、それについては今後機会があれば紹介します。

また、親族だけではなく、ご近所さんに生活保護の受給がばれる可能性も考えられますので以下の記事を参考にしてください。

>>生活保護の受給がばれる4つの可能性/え?会社や近所にも?

ここでは、近所に保護受給がばれないための知恵やコツをまとめてみました。

ぜひ参考にしてください。

それでは本日は以上となります。

・おススメ関連記事

>>保護受給は恥なのか?生活保護でも幸せに生きる3つのコツ

>>生活保護の”申請時”に保護費の金額を多くする裏技

>>生活保護ケースワーカーと上手く付き合う4つのコツ

筆者:ねこ忍者
東京在住
生活保護法の研究をしています。
昨年に社会保障関係のNPOを設立し、日々奮闘しております。
生活保護制度について考え、皆さんの役に立てる記事の更新に努めます。

 

>>記事一覧へ戻る

>>ホームへ戻る

Pocket