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生活保護を受給するようになると、あなた専属の担当ケースワーカーが付くこととなります。

ケースワーカーの役割は、生活保護費の支給と、世帯の自立助長の援助を行うことです。

また、日々の生活上の悩み相談や、関係機関との連携等、あなたの生活が円滑に送れるように支援を行っています。

生活保護を長年受けていると、ケースワーカーとの信頼関係が自然と生まれてくるものです。

しかし、ケースワーカーは一生あなたの担当をするわけでは無く、およそ1~3年で別の担当者に変更となります。

それではなぜ担当ケースワーカーは1~3年で変更となるのでしょうか。

本日は生活保護と担当制度について詳しく説明したいと思います。

1 そもそも生活保護の担当者はどの様に決まるのか?

生活保護の担当制度は、どの自治体も地区担当制という方法をとっています。

地区担当制とは、地域ごとに担当者を振り分ける方法を指します。

例えば、新宿一丁目は佐藤さん、新宿二丁目は鈴木さんが担当するといったように区分けがされています。

それぞれの地域で、概ね担当数が80~120世帯前後となる様に毎年3月ごろになると調整が行われます。

また、学校のクラス分けと同じで、厄介な世帯が多い大変な地域ほどベテランのケースワーカーが担当するという配慮を行います。

2 生活保護のケースワーカーが変更となる3つの理由

担当のケースワーカーは年度初めの4月1日から変更となります。

担当が変更となる理由は以下の3つです。

① ケースワーカーによる不正や横領、保護受給者との癒着を防ぐため

② 人事異動による担当変更

③ 持ち世帯に差が生じることを防ぐため

それでは一つずつ見ていきましょう。

2-1 不正や癒着を防ぐため

昨今、ケースワーカーが不正に保護費を横領するというような事例が相次いで起こっています。

手口としては、ケースワーカーが書類を偽造し、架空の保護受給者をつくってしまうといったものです。その上で、架空の保護費を帳簿上では支給したように見せかけて、保護費を横領するといった手口です。

比較的小さな自治体では、ケースワーカーが生活保護のほとんど全ての事務を担っていることが多いため、この様な不正ができてしまうようです。

最近では大阪府河内長野市のケースワーカーが上記のような手口で約2億6000万円の保護費を横領したことで逮捕されています。

河内長野市の場合、担当者が変更となったことで初めて保護費の横領が発覚したとのことです。

この様な不正を未然に防ぐため、数年に一度担当を変更し、多くの人間がチェックできる体制をとっているのです。

2-2 役所は人事異動があるため

役所に勤めていると、毎年3月に人事異動があります。また、4月には新規採用された職員が入庁します。

役所の職員はおよそ3~5年ごとに部署の異動があります。

ケースワーカーも同様に3~5年で全く別の部署へ異動となります。

人事異動があると職場の1/3~半分ほどの職員が入れ替わることもざらにあるようです。

人事異動が原因で1年たらずで担当者が変更となることも少なくないようです。

2-3 地域による持ち世帯数のバランスを調整するため

地域ごとに担当を持つという特性上、以下の様な世帯数のアンバランスが生じることは避けることができません。

例えば、4月時点で担当世帯数100世帯だったケースワーカーAさんは、その年度の3月には160世帯に持ち世帯が増加しました。

一方、ケースワーカーBさんは、死亡により廃止になる世帯が今年は多く、80世帯まで持ち世帯が減少したとしましょう。

この場合、AさんはBさんの2倍の世帯を担当していることになります。

Aさんの様に160世帯もの世帯を持ってしまうと、毎日遅くまで残業をしても処理が追いつきません。このままではAさんは精神的に病んでしまうかもしれません。

逆にBさんの様に80世帯しか担当していないと、定時の時間内で楽勝に仕事を片付けてしまえます。

この様な担当世帯数のアンバランスを解消するために担当の変更は行われます。

例えば、3月にAさん160世帯、Bさん80世帯だったのを、Aさん120世帯、Bさん120世帯という具合に調整を行うのです。

3 生活保護の担当者が気に入らないので変えてほしい

筆者は生活保護を受けている方からこんな相談をされることがあります。

「生活保護のケースワーカーが新人の様で、全く話にならなくて困っている。担当を前の人に戻してもらう方法はないか。」

結論から言うと、担当を変更することは、基本的にはできません。

生活保護の担当者は地区担当制をとっているためです。

生活保護の担当を好みの人に指名することが可能になってしまえば、仕事ができる担当者程、多くの世帯が集中し、非常に負担が大きくなってしまいます。

 

では、絶対に担当変更はできないのか

というとそういう訳でもありません。

かなり粘着質に、強くお願いをすれば、稀にですが係長が担当となる場合があります。

たいていの生活保護部署の係長は「困難ケース」というものを担当しています。

困難ケースとは、ケースワーカーでは対応が困難なクレーマー等を指します。

つまり、あなたが厄介な人の証である「困難ケース」という烙印を押されてしまえば、係長があなたの担当になります。

係長対応になると、常にあなたの世帯に係長が目を光らせることになりますので、この様な形で担当を無理やり変更させることはおススメできません。

いかがでしたでしょうか。

担当の変更があると、今まで築いてきたケースワーカーとの信頼関係も一から作り直しになります。

そのような理由から担当変更を拒む方も多いようです。

しかし、頑なに拒んで、いうことを聞かないと、いつの間にか「困難ケース」として係長対応になってしまう場合もありますので注意をしましょう。

担当の変更ばかりは上記で述べた3つの理由から仕方が無いものとして受け入れる他ないということですね。

なお、ケースワーカーのことをもっと良く知りたいというかたはこちらの記事も参考にしてください。

・生活保護ケースワーカーの知られざる多忙な実態/年収や労働時間は?
・生活保護ケースワーカーと上手く付き合う4つのコツ

 

それでは本日は以上となります。

筆者:ねこ忍者
東京在住
生活保護法の研究をしています。
昨年に社会保障関係のNPOを設立し、日々奮闘しております。
生活保護制度について考え、皆さんの役に立てる記事の更新に努めます。

 

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