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厚生労働省が平成26年に発表した、「一人親家庭の支援について」によると、母子世帯数は128万世帯、父子世帯は22万世帯と、併せて140万世帯がひとり親世帯となります。

日本の全世帯数5290万世帯の実に26%を占め、そのうち、11万世帯が生活保護を受給している現状にあります。

ひとり親世帯が生活保護を受ける率は7.8%と、他の世帯と比較すると圧倒的に高い水準にあります。

また、母子家庭に限定すると、ひとたび生活保護を受給すると、そこから抜け出すことは非常に困難を極めます。

そこには母子家庭の生活保護費が非常に高額となる傾向にあり、とても母親一人の収入だけでは生活を賄えないという現状があります。

本日は、母子家庭の基準額の検証と、生活保護から抜け出せない3つの理由について検討したいと思います。

1 母子加算、児童養育加算が計上されるため基準が高額

母子家庭で生活保護を受給すると、母子加算が計上されることとなります。

その金額は以前の記事でも紹介しましたが、以下の通りとなります。

○平成27年度 母子加算額表

児童1人 児童2人 それ以降
1級地 22,790円 24,590円 +920円
2級地 21,200円 22,890円 +850円
3級地 19,620円 22,890円 +780円

金額については、お住まいの地域と、児童の人数によって変わります。

ちなみにここでいう児童とは、高校を卒業するまでの児童(18歳以下)のことを言います。

また、子どもに関して、児童養育加算が計上されます。

○平成27年度 児童養育加算額表

    子供の数        子供の年齢   加算額
第1子および第2子 3歳に満たない児童  15,000円
3歳以上で中学終了前の児童  10,000円
第3子以降 小学校終了前の児童  15,000円
小学校終了後中学終了前の児童  10,000円

 

例えば、東京等の都市部で10歳と14歳の子供を持つ母親が生活保護を受けた場合、

母子加算24,590円+児童養育加算10,000円×2=44,590円

が一般の世帯よりも優遇されることとなります。ただし、児童養育加算につていは両親がいる世帯でも、子どもがいれば計上されます。

そしてここに、子どもに掛かる費用である教育扶助がプラスされます。

2 子どもへの教育扶助が計上されるため基準が高額

小中学生がいる世帯の場合は、さらにここに教育扶助が支給されます。

教育扶助は基本額、学級費、学習支援費という3つの扶助がほとんどの家庭に支給されます。その額は、

小学生がいる場合、教育扶助額は5,540円

中学生がいる場合、教育扶助額は8,740円となります。

先ほどの例でいくと、10歳と14歳の子供がいる母子世帯は

5,540円+8,740円=14,280円がプラスされます。

先ほどの加算と合わせると、

母子加算24,590円+児童養育加算10,000円×2+教育扶助14,280円=58,870円となります。

これらの加算や扶助が、一般的な生活費にプラスされることとなるのです。

東京都23区で母35歳、子14歳、10歳の3人世帯で家賃が69,800円の世帯が生活保護を受けた場合の最低生活費は

212,710円となります。

ここに先ほどの58,870円がプラスされるので、この世帯が生活保護を受けると

毎月の保護費は271,580円となります。

いかがでしょうか。さらにここに医療費の支払いと税金の免除があるため、およその手取りは30万円を超えるのではないでしょうか。

この3人世帯のおよその生活保護費の年額は

271,580円×12カ月=325万円となります。

ただし、ここから児童扶養手当や児童手当分が収入として扱われるため、

実際に生活保護で受け取る金額は250万円程度になるかと思われます。

3 家事や育児の負担と仕事の両立は大変

厚生労働省の統計によると、母子世帯の平均就労年収は181万円です。

上記で述べた325万円とはかけ離れた数字です。

そこには、家事や育児の両立や、給与面から言って、まだまだ女性の社会進出が進んでいるとは言えないという問題も関係してきます。

母子家庭の場合、子どもに朝ご飯を用意し、学校へ送り出し、仕事へ行って、夕食を作るというサイクルを考えると、どうしても仕事を行う上でも制約が生まれます。

年収の高い仕事はどれも残業があったり、子どもが熱を出した時に休みを取れなかったりと、両立が難しい現状にあります。

また、仕事から帰ってきたら容赦なく家事の負担があるため、寝ている時間以外は息つく暇もない状況であるかと思われます。

母子家庭の平均就労収入が181万円で、児童扶養手当が年額50万円ほど、児童手当が年額20万円ほど入ったとしても、それでも世帯の総収入は250万円です。

これでは母子家庭の平均的な世帯はみんなが生活保護を受けることになってしまいますね。

実際はここに別れた夫からの養育費や慰謝料、実家からの援助等が入ってくるため一概には言えませんが、母子家庭の現状は非常に困難な状況です。

ちなみに父子世帯の平均就労収入は年間360万円との事です。

ここに手当関係を合わせると世帯収入は430万円程度ですので、父子世帯であれば平均的には生活保護を受けなければならない状況というわけではなさそうです。

いかがでしたでしょうか。

母子家庭の非常に困難な現状について理解していただけたかと思われます。

ネット上では母子加算の引き下げや削除を訴える声もありますが、筆者としては母子加算の削除による生活費の減少が、子どもの健全な発育に影響を与えることを懸念します。

母子世帯が健全な生活が行えるように今後も行政がより良い検討を重ねることを願います。

それでは本日は以上となります。

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