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前回の記事ではホームレスがなぜ生活保護を受けないのかを検証しました。

前回記事>>なぜホームレスは生活保護を受けないのか?3つの理由を徹底分析してみた

こちらの記事で、施設に入所させられ自由を奪われ、劣悪な環境に身を置かなければならないことが、ホームレスの生活保護申請をためらわせているという実態を紹介しました。

本日は、民間のNPOや社会福祉法人が運営する宿泊所型の貧困ビジネスの実態について詳しく紹介させていただきます。

1 ホームレスを収容する無料低額宿泊所とは何か

一般的に宿泊所という言葉を聞くと、旅館やビジネスホテル等を想像する方が多いかと思います。

しかし、福祉用語でいう、無料低額宿泊所とは、そのような格式高いものとはかけ離れた施設です。

無料低額宿泊所とは、ホームレス等の生計困難者のために、無料又は低額な料金で簡易住宅を提供することを目的とする、社会福祉法に基づく施設です。

その運営は、都道府県の許可を得た民間企業や、NPO、財団法人などが行っています。

提供するサービスは、宿泊所によって違うのですが、多くの宿泊所が、宿泊および食事の提供生活相談事業を行っています。

宿泊所を利用するには、

①生活保護を受けていて

②住居が無い

という2つの要件が必要となります。

宿泊者の大多数は、元ホームレスが占めます。

2 無料低額宿泊所の環境は非常に劣悪

筆者も社会勉強のため、施設の見学にお邪魔したことがあるのですが、それはそれは劣悪な環境の中で皆さん生活をされています。

私が見学した施設は東京都板橋区にある宿泊所なのですが、ここが非常に強烈な施設でした。

雑居ビルの3~6階にその施設はありまして、エレベーターを降りて、扉をあけると、2段ベッドが所狭しと並んでいる状況でした。

各人に2段ベッドが1つあてがわれ、2段ベッドの1階部分が居住スペース、2階部分が荷物置き場として利用されていました。

以前は2段ベッドを2人で使っていたようです。

しかし居住者の中にはアルコール中毒患者も多く、おもらしをしてしまう方がたまにいらっしゃるようです。

そんな方が上にいたのでは、下の階の人はたまったものではありません。

そのような理由から、一人にひとつの2段ベッドがあてがわれるという今のスタイルになったようです。

居住スペースはわずかに1畳弱といったところでしょうか。

一応カーテンがあり、間仕切りができる状態なのですが、とてもプライバシーが保たれている状況とは言えません。

ある入所者の方にインタビューを行ったのですが、一番困ることが盗難の多さとのことでした。

もともと路上生活をしていた方が多くいるので、手癖の悪い人も多いとのことです。

そのため、貴重品については肌身離さず大事に保管する必要があります。貴重品だけで無く、タバコやお菓子なども盗まれやすいようです。

このような劣悪な環境が都道府県の認可を得た施設ということには驚きです。

食事については3食提供されますが、ほとんどの施設が仕出し弁当を採用しています。

仕出し弁当は、脂っこく、塩気が強いおかずが多いようで、高齢者には堪えるそうです。

3 生活保護費を搾取されるホームレス達

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施設使用料は施設によっても違うのですが、

私が見学させてもらった施設ですとだいたい月に11万円程を利用者から徴収するとのことです。

その内訳は大まかに、食費相当が5万円、家賃相当が4万円、高熱水費や雑費で1万円、管理手数料が1万円とのことです。

2段ベッドを1つ貸すだけで家賃4万円です。いかにボロイ商売なのかがわかるでしょう。

対象者の生活保護費は月々約12万円程度とのことなので、手元には約1万円しか残りません。

その中から居住者は、嗜好品や日用品を購入することになります。

そして余ったお金で今後の自立の道を切り開かなくてはなりません。

何人かの入所者にインタビューをしたのですが、入居が1年を超えると言うAさんは、

「毎月手元に残るお金なんてほとんどない。これでは餌だけを与えられ、生活保護費を搾取される家畜以下の扱いだ」と嘆いていました。

施設利用料金の支払いについては、福祉事務所が施設と直接やり取りを行うため、入居者はお小遣い以外に手を触れることはできない仕組みとなっています。

法で認められた民間の宿泊所が、ホームレスから生活保護費を合法的に搾取しているという状況です。

雨風しのげて食いぶちに困らないから、ホームレスを続けるより良いではないかと言われればそうかもしれません。

しかし、社会的な生活ができる場所とは全く言えない施設で、月に残るお金も乏しい、これではまるでタコ部屋です。

4 役所がなぜ劣悪な施設にホームレスを入れるのか

現場サイドの意見としては、ホームレスの行き場所がそこ以外にないということが挙げられる様です。

入所者の多くは、一度は路上生活にまで陥るにいたった人達です。残念ながら何らかの社会的問題を抱えている方が多くいるのが現状です。

役所としても、そのような人をいきなりアパート生活させるわけにはいきません。

まずは、数か月間入所してもらって、自立した生活ができるかどうかの見極めを行うようです。

そこで認められた人については、アパート生活に移行するという流れです。

しかし、近年では入所期間の長期化が問題視されています。

その背景には生活保護のケースワーカーが非常に多忙を極める実態があります。

あまりに忙しすぎて、入所者の自立の見極めを怠り、入所が継続してしまっているケースが多々あるのが現状です。

5 最後に

無料低額宿泊所の実態について今回は紹介させていただきました。

都道府県の許可を受けているとは言え、その実態は、ホームレスだった人に食事を与え、家畜のごとく飼いならし、施設使用料という名のもとに生活保護費を搾取する貧困ビジネスに他なりません。

無料低額宿泊所と謳っておきながら、二段ベッド一つに4万円という高額な家賃を課すことに矛盾を感じます。

我々の血税が、二段ベッドに4万円も充てられているという現実には、何とも言えない感情がこみあげてきますね。

 

それでは本日は以上となります。

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