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平成24年に厚生労働省が行った、

「ホームレスの実態に関する全国調査検討会報告書」によれば、

全国のホームレス数は9,576人であり、平成19年の18,564人と比べて6割ほど減少しているとの報告をしています。

ホームレスが減少した理由として、適切な自立支援施策や、生活保護の適用がされたことを挙げています。

しかし、それだけではなく、ネットカフェを渡り歩くホームレスが増えたことから、表面化する数が減ったのではないかとも予想しています。

ホームレスが減少したとは言え、なぜ公園や河川で寝泊りする人たちは生活保護を受けないかという疑問が生じます。

1 ホームレスは生活保護を受けられないのか?

ホームレスは住所がないから生活保護を受けられない。

ホームレスは働く努力をしないから生活保護を受けられない。

皆さんもこのようなことを一度は聞いたことがありませんか?

しかし、上記のことはまったくのデタラメです。

生活保護は住民票が置かれていなくても、現在地保護といって、現在の居場所で生活保護を受給することが可能です。

公園等の路上で生活をしていれば、役所の住所を現在地として保護を受給できます。

また、働く努力を怠っているとしても、現在生活に困窮している状態であれば、生活保護の申請は問題なく通ります。

では、なぜホームレスは生活保護を受給しないのでしょうか?

2 ホームレスが保護を受給しない理由

ホームレスの方が生活保護を受けない理由は大きく分けて3つあります。

1 生活保護の制度を知らない

2 制度は知っているが、生活保護を自分は受けられないと思っている

3 自立支援センターや、更生施設での集団生活が嫌だから

それでは以下にに詳しく記述します。

2-1 生活保護の制度を知らない

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ホームレスの中には、社会制度に関する知識が無い方が多く、そもそも生活保護の制度があることを知らないという方がいます。

「ホームレスの実態に関する全国調査検討会報告書」によると、生活保護の制度を知らないと答えたホームレスは6.7%であり、35歳以下の場合15.4%と若年のホームレスほど制度について無知な結果となったようです。

6.7%が生活保護の制度を知らないとすれば、裏を返せば93.3%のホームレスが生活保護の制度を知っていることとなります。

生活保護の制度を知らないで受けていないホームレスは少ないようです。

2-2 生活保護を自分は受けられないと思っている

同調査によると、生活保護の制度は知っているが、生活保護を自分は受けられないと思っていると回答した人は、全体の16.6%であるとのことです。

こちらについても意外と少ない数字です。

1と2の数字を合わせて22.6%のホームレスが制度への無知から生活保護を受けていないということが分かります。

では、残りの人はなぜ生活保護を受けないのでしょうか?

同調査によると、それ以外の多くの方が、単純に生活保護は受けたくないからという理由を答えているようです。

受けたくない理由は、人の世話になりたくないとか、役所の手続きがめんどくさいとかという理由が見られます。

しかし、これはあくまで筆者の予想ですが、3つめの理由がホームレスに生活保護を敬遠させる大きなハードルになっているように思えます。

2-3 自立支援センターや更生施設での集団生活が嫌だから

ホームレスが生活保護の受給を開始すると、入所する施設が3通りあります。

1 自立支援センター

2 自治体がもつ更生施設

3 社会福祉法人等が運営するドヤの様なシェルター

1の自立支援センターはホームレスの生活の立て直しを行うための施設です。主に大都市部に存在し、入所者は働くことができるホームレスに限られます。

入所後は就労の支援が全面的に行われ、数か月以内に仕事に結びつかない場合は退所扱いになります。その場合は2か3に居所を移すこととなります。

2、3については主に高齢のホームレスや、障害や病気で働くことができないホームレス、1で仕事に就けなかったホームレスが入所します。

この1~3のどの施設も、母体が違うだけで、どこも劣悪な環境であることが多いようです。

個室はほとんどなく、2~4人ほどの相部屋です。

民間のドヤの場合、2段ベッドが所狭しと並べられており、その1段だけをあてがう様な所もあります。この場合10畳ほどの部屋に15人ほどがひしめき合う様な所もあります。

ホームレスばかりを収容するため衛生的には良くなく、ダニやノミはあたりまえです。

施設は規則が厳しく、室内では禁酒禁煙を迫られます。また、門限があったりもします。

入所者は全員がホームレスなので社会性が全くない人だって多数います。

酒を飲んで帰ってきては大声で怒鳴ったりするような人もいるようです。

そのような環境に耐えられなくなったあなたが、逃げ出す場所は路上のみです。

別の場所で生活保護を受けたとしても自体は変わりません。

まとめ

上記で述べたとおり、ホームレスから生活保護を受けても、劣悪なドヤに収容されるだけです。

街中にいるホームレスは、誰もが一度は生活保護を受け、劣悪な環境での生活を知っています。

それに比べれば、自由に誰の干渉も受けずにホームレスを続けた方が良いと思う人が多いのかもしれません。

ホームレスの方々の本当の自立支援を考えるのならば、

ちゃんとした生活の場がまずは保障される様なシステムを作ることが行政に求められるのではないかと筆者は感じます。

それでは本日は以上となります。

筆者:ねこ忍者
東京在住
生活保護法の研究をしています。
昨年に社会保障関係のNPOを設立し、日々奮闘しております。
生活保護制度について考え、皆さんの役に立てる記事の更新に努めます。

 

 

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