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生活保護の制度は、憲法第25条により「健康で文化的な最低限度の生活」を国民に保障しています。

生活保護費は世帯の構成人数や年齢によって、支給される金額が全く違います。

また、人数や年齢以外にも、世帯の状況によっては、一般家庭よりも生活保護費が優遇される場合があります。

本日は、生活保護の金額が優遇される、各種加算の概念について記述していきます。

 

生活保護費の金額が上乗せされる、加算の原理を理解しよう

生活保護の支給額の決定方法は大まかに言えば以下の計算式が用いられます。

生活扶助Ⅰ類(食費相当)+生活扶助Ⅱ類(高熱水費相当)+住宅扶助(家賃相当)+加算額

加算とは、他の一般世帯と比べて世帯の状況が特殊な場合に、そのことによって多く掛かるであろう生活費を補うためのお金と考えてください。

加算の種類を全て挙げると、

①母子加算 ②児童養育加算 ③障害者加算

④重度障害者加算 ⑤妊婦加算 ⑥産婦加算

⑦在宅患者加算 ⑧放射線障害者加算

実に8種類もの加算が生活保護法により規定されています。

それでは、一つずつ紹介していきましょう。

1 母子加算

母子加算とは、一人親世帯に計上される加算です。母子となっていますが、父子家庭にももちろん適用がされます。

加算される理由は、一人親家庭で育児や家事と仕事を両立することで増える生活需要を補うためだと言われています。

しかし、現状では仕事をしていないひとり親世帯にも加算が計上されることとなっています。

金額を見ていきましょう。加算の金額はお住まいの地域と児童の人数によって異なります。

○平成27年度 母子加算額表

児童1人 児童2人 それ以降
1級地 22,790円 24,590円 +920円
2級地 21,200円 22,890円 +850円
3級地 19,620円 22,890円 +780円

こうしてみてみると、母子加算は非常に金額が高いため、母子世帯は恵まれているようにも思われます。

ただし、児童二人目以降の加算の上がり幅が大変低額であるため、子供を持てば持つほど生活は苦しくなるという懸念があります。

2 児童養育加算

児童養育加算は、中学卒業以前の子供がいる世帯に上乗せされる加算です。こちらの場合は一人親でなくても、子供がいれば加算がされます。

昨今では、貧困の連鎖と言って、生活保護を受ける世帯の子供が大人になって生活保護を受給するという連鎖が多く生じているようです。

貧困の連鎖を断ち切るためにも、子供がいる世帯を優遇し、教育を十分に受けられるようにとの思惑があります。

加算の金額については、児童の人数および、児童の年齢により違います。

以下の加算額表を参考にしてください。

○平成27年度 児童養育加算額表

    子供の数        子供の年齢   加算額
第1子および第2子 3歳に満たない児童  15,000円
3歳以上で中学終了前の児童  10,000円
第3子以降 小学校終了前の児童  15,000円
小学校終了後中学終了前の児童  10,000円

母子世帯については、母子加算にプラスして児童養育加算も計上されるため、

他の家庭と比べると母子の生活は、やはり優遇されているように思えます。

3、4 障害者加算、重度障害者加算

障害の認定を受けている方への加算が、障害者加算となります。なんらかの障害を持っている方は、健常者と違ってハンディキャップを背負って生活をされています。

それにより生じる様々な生活上の需要を補うために障害者加算が計上されています。

障害者加算の金額については、その障害の程度によって変わります。

○平成27年度 障害者加算額表

    障害の程度 1級地 2級地 3級地
身体障害1、2級

知的障害1,2度

障害年金1級相当

26,310円 21,200円 22,630円
身体障害3級

知的障害3級

障害年金2級相当

17,530円 16,310円 15,090円

さらに、障害者の中でも、1級の手帳を所持しており、常時の介護を必要とする人については、上記の障害者加算加えて、重度障害者加算の計上がされる場合があります。

重度障害者加算の金額は全級地同額で、

14,480円です。

1級の障害者加算とあわせると、実に4万円近い優遇が受けられるということになります。

重度障害者加算が計上されている方は寝たきりの方等が非常に多く、

日用品等をあまり購入しないことから、数百万円単位の貯金が積みたってしまう事例があるようです。

5,6 妊婦加算、産婦加算

生活保護を受けていて妊娠をすることは非常にまれなケースなのですが、中には身ごもってしまう方もいらっしゃるようです。

妊婦、産婦については特に栄養に気を使った食事をとったり、生活面でも母体を常に意識した生活が必要となります。

妊娠後にはマタニティーグッズを購入したり、産後にはベビー用品が必要になる等、生活に必要なお金が増えることから加算が計上されます。

妊産婦加算はお住まいの級地と、妊娠後の経過日数で加算の金額が変わってきます。

○平成27年度妊婦産婦加算額表

    級地別 妊婦加算  

産婦加算

妊娠6カ月未満 妊娠6カ月以上
1級地および2級地 8,950円 13,530円 8,320円
3級地 7,680円 11,470円 7,050円

妊婦加算については、出産後に産婦加算に移行されます。

産婦加算については、もっぱら母乳のみで子育てをする場合6カ月間、粉ミルク等を利用して子育てをする場合には3カ月間を限度して加算を計上することとなっています。

7 在宅患者加算

在宅患者加算は、結核患者や、人口透析等を受けている人で、外出がほとんどできないような人を対象とします。また、医師から特別の栄養を摂る必要があると診断された人だけに計上される加算です。

○平成27年度在学患者加算額表

級地 在宅患者加算額
1級地および2級地 13,020円
3級地 11,040円

 

8 放射線障害者加算

放射線障害者加算は、戦争時の原子爆弾投下を原因とする被爆者と認定され、障害者や後遺症を受けた方を対象とする加算です。現に治療中か、既に治癒したかによって加算の金額が変わります。

平成27年度放射線障害者加算額表

被爆の状態 放射線障害者加算額
治療中 42,720円
治癒後 21,350円

 

いかがでしたでしょうか

生活保護の加算については種類が8つもあり、その計上の仕方も細かなルールがあります。

ケースワーカーは非常に多忙であるがゆえに、担当者のミスで加算の計上忘れや、

加算の計上の落とし忘れが稀に起こるそうです。

ご自身でも生活保護の基準について一度計算し、本日紹介した加算がちゃんと認定されているかどうかを確認すると間違いないと思われます。

また、数年前には母子加算が一時的に廃止となったことがありました。

今後もこれらの加算が永遠に計上され続けると言う保障はありませんので注意しましょう。

それでは本日は以上となります。

筆者:ねこ忍者
東京在住
生活保護法の研究をしています。
昨年に社会保障関係のNPOを設立し、日々奮闘しております。
生活保護制度について考え、皆さんの役に立てる記事の更新に努めます。

 

 

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