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生活保護を受給すると、ケースワーカーが担当につき、受給者の相談や支援を行います。

皆さんは生活保護のケースワーカーがどのような人たちで、どんな仕事をしているかをご存知でしょうか?

本日は、知られざるケースワーカーの実態についてお話したいと思います。

この記事は、日頃私が仕事上で関わるケースワーカーとの普段のやりとりに基づいて記述します。

生活保護ケースワーカーになるには

まず、生活保護のケースワーカーがどのような経歴を踏んで採用されるのかを説明します。

ケースワーカーと聞くと、生活保護の専門家で資格を持ったプロというイメージが強いかもしれません。

しかし、彼らは一般事務で採用された役所の職員であり、資格等は持っていない事が多いようです。

着任までの流れは、

①市町村の職員採用試験を経て、大学等を卒業後、役所に採用

②4月に入庁後、生活保護の部署への配属辞令がだされる

③ケースワーカーとして着任

といった流れとなります。

 

なりたくない職種ナンバー1/若手で穴埋めされる現場

生活保護を取り扱う部署は、役所の人事異動の際に配属されたくない部署ナンバー1である自治体が多いようです。

そのため、異動希望にケースワーカーと出す人はほとんどおらず、人事課の頭を悩ます部署でもあるようです。

そのため、何も知らない新規採用者を生活保護の部署へ配属して、穴埋めを行うようなのです。

そうすると、自ずと若い職員が占める比率が多くなります。

担当者がいつも若い人ばかりだと思われている人がいれば、そのような理由が裏にあることが原因です。

昨今ではどの自治体もケースワーカーの若年化が問題視されています。

それは、赤ちゃんから高齢者までを支援していく仕事であるのに、

担当のケースワーカーが経験の浅い新規採用者ばかりでは、適切な支援ができない恐れがあるからです。

ケースワーカーの仕事について

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ケースワーカーの仕事は多種にわたります。

事務仕事としては、収入の変更処理、一時扶助の支給処理などの会計事務から、家庭訪問時に聴取した内容を記録する事務や、新たに生活保護を開始する人の事務まで担っています。

現場仕事としては、各家庭を訪問したり、入院している人の病院を訪ねて最近の様子を聞き取ったりするようです。また、病院内での会議や、学校、介護業者との打ち合わせまでをこなします。

さらに、窓口に来る受給者の相談にのったり、

電話相談を行ったりと、仕事量は役所の中でも非常に多い部類に入るでしょう。

また、非常に多種多様な知識が必要となり、知識不足からトラブルになることも多々あるようです。

生活保護を受給している方の中には、窓口で大声をだす人も多く、そのような現場での対応には強いメンタルも要求されます。

しかし、相談を通じて、受給者から感謝される場面も非常に多いようで、そのような時にやりがいを感じるようです。

 

 

ケースワーカーの労働時間や年収について

ケースワーカーの年収は、その自治体の職員の年収とほぼ同額です。

「ほぼ」というのは、ケースワーカーという特殊な仕事に対して手当を付けている自治体も多くあるからです。

自治体にもよりますが、1日当たり300円~400円の手当を付けている場合が多いようです。

1日当たりなので、月給では

400円×22日=8,800円

年収ベースでは、8,800円×12カ月=105,600円となります。

つまり、一般の職員よりも年収では10万円ほど差が付くくらいの年収ということですね。

年収額は自治体によって異なります。

東京都23区の場合、平均年収は700万~800万円の間です。

全国の自治体平均ですと、約670万円前後であるそうです。

労働時間については、8:30~17:15までです。

ただし、残業がある場合は20時、21時くらいまで残っている人もいるようです。

残業については、個人の仕事量にもよるので何とも言えませんが、

多くのケースワーカーに聞く限りでは、

時間内に仕事が終わることはほとんどないので、多くの方が残業をしているようです。

また、仕事中はあまりの忙しさで常にバタバタしており、一息つく暇もないとのことです。

ケースワーカーはなぜ忙しい状況なのか?

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ケースワーカーの忙しさを生んでいる理由は、担当世帯数が不適切に多い状況にあるからです。

法律で定められている、ケースワーカー一人当たりの持ち担当世帯数は

80:1

とされています。

つまり、ケースワーカー一人当たりが担当しても良いのは80世帯までですよということです。

しかし、この世帯数が守られている自治体はほとんどありません。

どこの自治体も、90~150世帯を一人のケースワーカーが持つようです。

中には200世帯以上を担当しているという自治体まであります。

国が、標準数を80世帯と定めているのに、それを堂々と無視している状況です。

どこの自治体も財源不足を補うために人件費を削っていることがその原因としてあげられます。

このような状況から、あまりに忙しすぎて、適切な細やかな支援が行きとどいていない事が多く、それを嘆くケースワーカーや受給者の声を多く聞きます。

これから自治体に求められること

これから自治体に求められることは、目先の利益にとらわれず、長い目で行政を運営することです。

財源が無いからといって現場の人数を減らしていては、

生活保護を受けている人たちを自立に繋げるための支援が手薄になります。

そうなると、生活保護を受ける年数が増加し、かえって財源が多くかかるという悪循環となります。

そうならないためにも

ケースワーカーの配置基準をしっかり守り、

年齢層が若年層に偏らないように、人事異動にバランスを持たせることが重要となるでしょう。

いかがでしたでしょうか。

ケースワーカーという職種が少しでも理解できましたでしょうか?

今後もケースワーカーに関する情報を皆さんに発信していこうと思いますので、お楽しみに

なお、4月になると担当地域が変更となります。以下の記事も参考にしてください。

>>生活保護の担当ケースワーカーが変更となる3つの理由

それでは本日は以上となります。

筆者:ねこ忍者
東京在住
生活保護法の研究をしています。
昨年に社会保障関係のNPOを設立し、日々奮闘しております。
生活保護制度について考え、皆さんの役に立てる記事の更新に努めます。

 

 

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