Pocket

ZUB88_keikaishinagara_TP_V

生活保護を受給するようになると、様々な制限を守らなければなりません。車の保有もその制限の一つです。

筆者は、生活保護受給者の方とお話することが多々あるのですが、

「生活保護を受けていて、車を持つことはできるのでしょうか?」

という質問を時々受けることがあります。

その答えは、「原則として車の保有は認められないが、条件を満たせば、例外的に認められる場合もある」です。

それでは、どんな条件を満たせば車をもつことができるのでしょうか。

そもそも車はなぜ持ってはいけないのか?

公共交通機関が発達している都会なら車が無くても不便なく生活ができるのですが、地方に行くと車は生活の要です。なぜ、生活保護を受けると、車を持ってはいけないのでしょうか。

それは、

① 維持費が高額で、生活を圧迫すること。

② 事故の場合の賠償能力が乏しいこと。

③ 生活保護を受けていない低所得世帯との均衡が取れないこと。

の3つの要因があげられます。

①の維持費については、燃料費、駐車場代、保険料、車検料等を合わせると、月に3~5万円は掛かるものです。ただでさえ少ない生活保護費の中で、車の維持費をやりくりするのは不可能に近いことです。

②については、万が一にも事故を起こしてしまった場合、保険が賠償の全てを賄ってくれればよいのですが、保険適用額にも上限額があります。上限を超えてしまった賠償額については個人で責任を負うこととなります。そのような責任を負う金銭的能力が、生活保護受給者には無いことも車の所有が認められない一因です。

さらに、近隣の生活保護を受けていない低所得世帯との、地域バランスが取れないことも、車の所有が認められない要因です。これは説明しなくてもご理解いただけるかと思うのですが、世の中には、生活保護を受けられるほど生活に困窮していても、生活保護を受けていない方が多数いらっしゃいます。そのような方からすれば、生活保護受給者の車の保有に厳しい目が行くということはお察しいただけるかと思われます。

以上の3つの理由から車の保有は原則認められません。

そう、原則です。

原則なので、もちろん例外だってあるわけです。

次に説明する条件のいずれかを満たせば、例外的に車の保有が認められる場合があります。

生活保護でも車を持てる3つの条件

車を持てる条件は、

① 山あいの集落等のへき地に住んでいて、車が無いと生活が不可能な場合

② 自営業をしていて、車が無いと廃業しなければならない場合

③ 身体障害者が通院、通勤する場合で、車以外の移動手段が無い場合。

以上の3つの条件のうちのどれかを満たした場合に、保有が認められることがあります。

それぞれについて説明していきましょう。

①山あいのへき地に住んでいて、車が無いと生活が不可能な場合

GRU_sangakunomachi_TP_V1

この条件については、日本のほとんどの場所で認められないことが多いようです。というのも近年では、どんなへき地でもバスが通っている場合が多いからです。

法律の解釈では「バスが通っている=車が無くても生活はできる」

と捉えられてしまいます。

ただし、バス停まで歩いて1時間掛かるとか、1日に1本しかバスが無いということであれば話は別です。その際はケースワーカーに相談を行いましょう。

② 自営業をしていて車が無いと廃業せざるを得ない

Peiz78_yurikamomeakatukihutou20141117142532_TP_V

現状この条件をクリアして車を保有している人が最も多いと言えるでしょう。自営業をしていると、車が無いと仕事にならない場合があります。車が無いと廃業せざるを得ないといった場合には、相談次第で保有が認められることがあります。

この場合、どれだけの収入を毎月あげているかが判断の基準となります。5万円しか月に稼ぎが無いのに、車の維持費が5万円掛かっていては、収入は0円ですよね。ケースワーカーの考えにもよりますが、最低でも10万円以上は稼ぎたいところです。

自営業をしていて車の保有が認められると、維持費については経費として控除されます。収入申告の際には、掛かった維持費の領収書を添付することを忘れないようにしましょう。

※会社勤めの人でも状況によっては車の保有が認められることがあります。

例えば、朝4時の出勤で、公共交通機関の利用が不可能な場合等があげられます。ケースワーカーに相談をしましょう。ただし、転職を指導されることもありますので注意しましょう。

なお、話は変わりますが、就労しながらお得に生活保護を受ける方法については以下の記事も参考にしてください。

>>生活保護の金額を少しでも多く受給するコツ/15,000円以上の金額がプラスになります。

ここでは、生活保護における「基礎控除」の概念を使って、最大効率的に働く方法を記述しております。

③身体障害により、通院、通勤の手段が他に無い場合

両足が不自由で、車が無いと生活ができない身体障害者の方に認められることが多いようです。

ただし、自動車を持つ目的が、日常生活用ではなく、通院や通勤に要する場合という条件がつきます。両足が不自由でも、通院も無く、働いていない場合は認められなこともありますので注意しましょう。

なお、障害と生活保護の関係については以下の記事も参考にしてください。

>>障害者が生活保護を受ける場合の条件と優遇措置まとめ

生活保護でレンタカーは良いのか?

生活保護受給中にレンタカーを運転することは良いのでしょうか?レンタカーなら保有では無く、単に車を一時的に借りているだけなので、OKと思われがちなのですが、、、

実は生活保護受給中にレンタカーの運転をしてはいけません。

運転が見つかるとケースワーカーから注意を受けることがあります。

なぜ、運転をしてはいけないかというと、先ほど車をもってはいけない理由で挙げた、

事故の場合の賠償能力が乏しいこと。という理由が挙げられます。

レンタカーは任意保険にも強制加入ですので大丈夫と思われがちですが、やはり人身事故で相手を死亡させてしまった場合などは、賠償額が保険の上限を超えることがあります。また、レンタカーの場合、車を傷つけたりすると数万円の手数料をとられますので、そのような支払い能力も保護受給者には無いだろうと言うことから運転は認められていません。

これは、レンタカーのみに限ったことではなく、知人や親族から車を借りて運転することも禁止している自治体がほとんどです。

どうしても車の運転が必要な場合はケースワーカーに相談を行い、許可を得てから運転を行うことをお勧めします。

いかがだったでしょうか。車を保有するには、かなり限定的な条件が必要となります。

注意して欲しいのは、どれかの条件に当てはまれば確実に車を持てるわけでは無いということです。最終的には個人個人の状況に応じて、ケースワーカーが判断することとなります。

ケースワーカーに断らずに自動車に乗ると、自動車税の課税情報から保有がばれることがあります。無許可での自動車保有は、最悪の場合、保護の打ち切りになり兼ねません。

必ずケースワーカに相談を行ったうえで、自動車を保有しましょう。

また、車にかかる税金関係は申請を行えば免除となります。ケースワーカーに相談を行いながら申請しましょう。

本日は以上となります。

Pocket